次に三種の神器2番目、レインウェアの選び方です。レインウェアは三種の神器と呼ばれるぐらいですから、登山の際には絶対に欠かせない必需品です。おおげさに思うかもしれませんが、命を守る道具という考えでいた方が良いでしょう。登山事故で死亡事故の理由として上位にのぼるのが、滑落、衰弱と共に低体温症というものが有ります。直接原因にならなくても低体温症による体力の消耗が死亡に繋がるケースというも多いのです。その低体温症の原因理由として挙げられるのが雪・雨による体温低下です。雪は誰にでもわかりやすいですが、雨は案外見くびっている人が多いようで、雨による低体温症というのもバカにはできないのです。

自然の中では、雨宿りできるところがその時あるかどうかわかりません。雨に長時間当たれば衣服が濡れ、体温を少しづつ冷やしていくのです。低体温症の怖い所は、自分ではまだ大丈夫と思っていても、ある限度を超えると急に進行しはじめ、意識がぼんやりしはじめると自分ではどうにもできなくなってしまう事が有るからです。その予防の為にもレインウェアというのは非常に役立つアイテムです。とりあえず雨が防げるものであれば良いという意見も有るでしょうが、やはり登山用のレインウェアは機能が普段使うものとは違い、実際に使ってみると登山時にその機能の違いが大きな差になるのでその機能を良く理解しておいた方がよいでしょう。

機能として重要視すべき項目は主に三つで、防水性と耐久性と透湿性です。防水性はわかりやすいでしょうが、当然水を中に入らせない機能です。登山では長時間雨の中を歩くケースを想定していますので、耐久性も当然求められます。街用のものとはそこが大きく違い、特に耐久性が違うものが多く、街用のものは数時間たつと染み込んだりへたったりするものが有ります。ここは重要なポイントと思った方が良いでしょう。もう一つは透湿性であり、これは水蒸気を通す性質の事です。なぜ水蒸気を通さないといけないかというと、ウェアを着込むと通気性も悪くなり自分の発汗で蒸れてしまい、その汗が体温を奪う原因ともなるからです。初め暑いと思っていたら汗で急激に冷やされてしまう状況になりかねません。

現在その防水性と透湿性を兼ね備えた素材商品として有名なのがゴアテックスという素材商品なのですが、雨を防ぎ、発汗を外に逃がす事を同時にする事が出来る素材なんですね。この商品が生まれた事により、雨などの登山で体温を一定に保てる事ができ、遭難率が下がったと言われているものです。今ではいろんなメーカで同じような機能をもった商品を出していますが、ゴアテックスが品質が優れ、実績を一番多く持つブランド品と言ってもよいでしょう。まあこの商品を選ぶかどうかはともかく、今挙げた機能をレインウェア購入の際には頭に入れて選ぶ事をお勧めします。