登山の危険性、遭難などに合わない為の準備・対策などを説明していきましたが、それでも遭難する可能性を0にできるわけでは有りません。可能性が有る以上遭難した時の対策も考えておくべきです。とはいえまず遭難しない事が大事なので、なぜ遭難してしまうか、傾向と対策をまず知りましょう。遭難の内訳でダントツなのでは道迷いです。過去数年のデータを見ても不思議と内訳の割合(警察庁がデータを発表しています)に傾向が出て来るのですが、道迷いは3割~4割を占めます。次いで滑落・転倒・転落などで30~40%占め、遭難理由の大部分はこの項目で占められます。

登山では、岩や木などに付けられた目印を頼りにいかなければいけない道が結構たくさん出てきます。なかにはどちらに行けばいいのかわかりにくいものも有り、迷う事も有ります。迷ったらまず一旦止まる事、見失ったら、印のある場所まで引き返す事が重要です。こっちでいけそう、とか大丈夫だろう、という考えの行動が一番遭難の元となるので、自信の無い時は一旦止まり、慎重に行動する事が重要です。またどうしても目印が見つからない場合は、尾根を目指して登る事にしましょう。良く沢を見つけそこをたどっていけばいずれは民家にたどり着けると考える人が多いようですが、それは遭難の元となります。

沢を見失わずに行こうと思えば険しい道も行かざるを得ず、滝やぬかるみなど危険個所に差し掛かる事も有り、転落、滑落の原因を作る事になります。尾根を目指せば、登山道はほとんど尾根を通る経路になっている為、いずれかの登山道に当たる可能性は高いです。また高所にのぼれば視界が開け、登山道を見つけれる可能性も出てきます。下りで迷った場合、登り返すのは時間を無駄にしていまうと思いがちですが、結果的には早道になるケースの方が多いので安全策を取るのが賢明です。

転倒・滑落・転落も多いのですが、これは登山者の気の緩み・油断に起因する事がほとんどです。登山中、ずっと気を抜かないでいる事は難しい事かもしれませが、危険個所は抑えて集中する事、また日頃運動をしていない方は、柔軟体操をしっかり行わないと、ちょっと躓いただけで捻挫していますなどの危険性が有りますので、準備運動をして、危険を減らす事も大事です。また危険を感じる箇所についてはあまり近づかず安全な道を選んでいく事も重要な事の一つです。

しかしそれでも遭難した時の対策として、まずすぐ連絡をして、指示を待つことが重要です。その場合、まず自分の状況・環境をはっきりと把握し、正確に伝える事が重要です。こういう時の為に登山計画書を提出しておくべきですが、もし出し忘れた場合は、ルートを覚えておいて、どこからへんからわからなくなったか伝えましょう。そして待機する時は安全で見晴しが良い場所を見つけて動かない事。特に複数人でいる時は、意見をしっかりまとめバラバラにならないようにしましょう。

しかし捜索が長引き数日掛かったりなどという事態になると今度は捜索費用という事も考えなければいけません。ヘリコプターを出し、捜索隊を結成し何日もという事になると数日で軽く数百万円の経費が掛かり、この経費を負担しなければいけません。こういう時の為に山岳保険への加入は必ずしておくべきです。たまにしか登らないのに必要?と感じている方も現地で1回500円くらいの掛け捨てでできるものもあるのでもったいないと思わず加入する事をお勧めします。